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ノマディック美術館

 先週の日曜日、ケリーのライブ@5回目に行ってきたんですが、THE ENDLI WATRE TANK2とほぼ同時にお台場に出現した移動美術館・ノマディック美術館にも行ってきました。こちらの美術館も6月24日まで。いろいろとケリーと共通する点が多いと思ってしまうのは、ファンのエゴでしょうか?笑

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 グレゴリーコルベールによる
『Ash and Snow』展 inノマディック美術館


ちなみに写真は5月に撮ったもの。このときは美術館の前にお花がたくさん咲いてました。


 写真と60分の映像1本、数分間の映像2本、さらに60分の映像には詩とも小説ともとれるようなメッセージが流れる、複合アートの展示会。ノマディックって、きっとノマドの形容詞形ですよね?遊牧的なとか定住しないという意味かな。わずか3ヶ月間のためにお台場に建てられた移動美術館、確かにノマド的。壊されたあとにゴミにならないように、移動先でレンタルされたコンテナで造られているそうです。

 このコンテナでつくられた建物が、写真や映像の雰囲気にあっていてよかったなぁ。建物に入ると、数十メートルのまっすぐな通路沿い、左右に写真が展示されていて、真正面に1つ目のスクリーンが用意されている。これがなんとも見事。結構、映像は映像だけで個室にしてしまう美術館って多いように思うんですけど、入った瞬間、左右に掲げられた写真と、その先に広がるスクリーン、そして音楽によって、一気にグレゴリー・コルベールの世界に引き込まれる感じ。スクリ-ンの映像が写真を見るときに邪魔してこない、むしろ写真を見終わって、次の写真へと歩くときに目に飛び込んでくる映像に、だんだんだんだん近くなるスクリーンに、なんだか高揚していく感じ。見事でした。たぶん、最初が一番興奮しました!

 建物自体はそんに大きくないけど、映像に見ごたえがあって(映像のスクリーンの前には丸い木のイス…というかオブジェというか…のようなものがたくさん置いてあって座れるようになってます。)内容量的にはちょうど良い。私はヨーロッパみたいな大きな美術館は疲れてしまうタイプなので、美術館をまわって、疲れ果てるのではなく余裕がもてるくらいが好きです。

 内容に関しては、映像は美しく、写真はとっても神秘的だったけど(合成じゃないとあったけど、それが信じられないくらい。)、なぜだろう、あんまり響かなかった。動物、自然との協調・調和、メッセージ性は十分なはずなのに。あまりにも幻想的にうつってしまったのかも。でも、建物も含め、演出はすばらしいものだと思います。

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『ぶらんこ乗り』

 

ぶらんこ乗り Book ぶらんこ乗り

著者:いしい しんじ
販売元:新潮社
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 何人かの友達に薦められていた、いしいしんじ。
ちひろ美術館のいしいしんじ×荒井良二の対談を偶然聞きにいき、頭の良い人だなぁと思ったのは去年の1月。

接点は何度かあったけど、結局手に取るまで1年以上かかっちゃった。

 新宿駅で目的の電車が来るまで10分間あったので、駅の本屋に寄った。横須賀美術館まで片道1時間半。午前中の日差しが差し込む電車の中で、音楽を聴くのもいいけど、せっかくだし新しい本でも読もうと思って、なんとなく美術館の雰囲気にも合いそうなこの本(タイトル)をセレクト。あとから知ったけど、いしいしんじは今回行った三浦半島(正確には三崎)に住んでいるらしい。観音崎(横須賀美術館)と三崎ではちょっと距離があるけど、でもこれも何かの偶然じゃない?

ぶらんこが、お話づくりが、動物との会話が、世界で一番上手な弟。
そんな弟をもったお姉ちゃんの視点で物語は進んでいく。
弟の書いたお話は、ひらがなで語られ、あっちの世界とこっちの世界をゆらりゆらり。

弟の語るお話の中にも、弟とお姉ちゃんが生活する日常の世界にも、残酷でひゅるりと背中が寒くなる瞬間、ぐっと苦しくなる瞬間がちゃんと用意されている。
単なる夢に夢みるようなふわふわした本じゃない。
後半は、感動なのか切ないのか苦しいのかわからない、でもところどころで涙がでた。

あっちの世界とこっちの世界?人間と動物の間?現実と夢の間?目に見えるものと見えないものの間?真実と虚構の間?そしてその間を結びつけるもの。間を生きること。それってなんだろう?

いしいしんじは、それを言葉にしようとする、言葉と言葉の間から伝えている気がした。これってすごいことだと思う。

弟はぶらんこが上手すぎて、ふり幅が広すぎて、ちょっと行き過ぎてしまってるだけなんじゃないのかな。でも本当は誰しもがあっちの世界を見れるんじゃないのかな?

あ~あ、一冊でファンになってしまった。

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横須賀美術館

 梅雨入り前の6月の土曜日、横須賀美術館へ。

spoonで写真を見てから、行ってみたいなぁと思っていた4月にオープンしたばかりの美術館。ちなみに横須賀市の市制100周年事業として建設されたものだそう。
雨だったら行かないつもりだった。写真を見たときから、絶対に晴れた日に行きたいと思っていたから。でもでも、昨日はお天気に恵まれ、この自然美術館日和でした。

Imgp1467_1 全面をガラスで覆われているのは、目の前に広がる海の潮風から建物を守るため。
背面には観音崎公園のある深い山。
美術館の前の道路を越えれば、ボードウォークになっていて海沿いを歩くことができる。美術館の屋上から海を眺めるのも気持ちいいし、さらに魅力的なのが屋上から観音崎公園へと散歩道がのびていること。上り坂からはじまるけど、ちゃんと道は舗装されているので、ハイキングルックじゃなくても恐れる必要なし。緑の匂いが気持ちいい素敵なお散歩コース。

Imgp1472_1 青い海と新緑の山とガラス張りの美術館はちゃんと交じり合っている。これは美術館が計算されて建てられているからだよなぁ。なんでも、地形を考えて建物を半分地下に埋め込んであるんだそう。だから建物が自然を圧迫している感じがしない。さらに傾斜を利用して建てているから、屋上からそのまま散歩道にアクセスできるんだよね。これ本当に良いアイディア!
右の写真は屋上からの眺め。東京湾が目の前に。

ここまで書いてみて、改めて自分は展示ではなくて、建物そのものを楽しみにしていたことがわかる。そうなんだよね、展示にはたいして興味がなかった。でも、別館の谷内六郎館はよかったなー。HPで見たときはどうかなぁと思っていたんだけど。谷内さんの絵を見ていると、「わかるなぁ、この感覚!」という日常の中で遭遇する切り取りたい瞬間とでもいうのかな、ほんのちょっとだけ特別な瞬間を絵に描き込んでる感じがして、見ていてすごく共感してしまった。絵本を読んでいるような優しい絵。

Imgp1487Imgp1489_1                                        

観音崎公園で遭遇した花畑。アスレチックなんかもあって、子供にまじってついつい遊んでみた(何歳だよ)

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夕暮れ。周辺に溢れる自然をふくめ、丸一日楽しめた美術館。良い場所につくったなぁ。都心から約1時間半、行きは近いと感じたけど帰りは疲れもでて少し遠く感じた。でも、ちょっと遠出をしたいとき、都会から抜け出したいときにはもってこいだよね。その遠さが、電車に乗ってる時間がまた良い。


「都市の美術は終わった」妻有アートトリエンナーレで聞いた言葉がよぎる。
自然の中でアートに触れたほうが、ずっと気持ちがいいし、アートも空気もおもいっきり吸収できる気がする。自然ってどうして邪魔をしてこないんだろう。

近くにスパつきホテルも、格安の青少年の村もあるみたい。今度は泊まりで行ってもいいなー。良い美術館でした。

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